■『ベンチャー・カップCHIBA』とは・・・
千葉市発の新たなビジネスの創出を目指して、(公財)千葉市産業振興財団が、平成14年度から中小・ベンチャー企業支援の一環として実施しているビジネスプランコンテストです。事業者、創業者から新規性・独創性に富み実現性のある事業プランや技術を公募し、優秀なものには賞金を授与するとともに、当財団の各種支援事業を積極的に活用して事業化を促進します。
今回の『ベンチャー・カップCHIBA』は、【一般部門】にAI・IoT賞、アグリビジネス賞、SDGsビジネス賞を設け、【学生部門】を加えた2部門により、広くビジネスプランを募集しました。
令和4年11月25日、第21回『ベンチャー・カップCHIBA』ビジネスプラン発表会が開催され、【一般部門】の3次審査までを勝ち抜いたファイナリスト5者及び学生部門グランプリ受賞者が、プレゼンテーションを行いました。今年度は会場開催とあわせて、Youtubeによるライブ配信も行いました。
審査の結果、【一般部門】グランプリには、リンクメッド株式会社(代表取締役社長 吉井幸恵)が選ばれ、当財団理事長より表彰の楯と副賞(賞金)が授与されました。
第21回『ベンチャー・カップCHIBA』受賞者
『会場風景』
第21回『ベンチャー・カップCHIBA』発表会 動画
第21回『ベンチャー・カップCHIBA』発表会(最終審査会) 審査結果
※敬称略
【一般部門】
賞 | 企業名・代表者名 | ビジネスプラン名 | 所在地等 |
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グランプリ (副賞50万円) | リンクメッド株式会社 代表取締役社長 吉井 幸恵 | 革新的「見える」がん治療薬の事業化による難治性がん克服への挑戦 | (本社) 千葉市稲毛区小仲台2-6-1 京成稲毛ビル2階ビズコンフォートNo.15 (QST分室)千葉市稲毛区穴川4-9-1 量子科学技術研究開発機構分子イメージング診断治療研究部内 TEL:043-206-3426 URL:https://www.linqmed.co.jp/ |
AI・IoT賞 (副賞20万円) | 輝翠TECH株式会社 代表取締役CEO Tamir Blum | 新たなAI、IoT ロボット技術にて、高齢化する日本の農家の人手不足を解消し収益向上を可能とする。 | (本社)仙台市青葉区荒巻字青葉6−6−40 (千葉オフィス)千葉市中央区亥鼻1-8-15 千葉大亥鼻イノベーションプラザ308号 TEL:080-3322-7337 URL:https://kisuitech.com/ |
アグリビジネス賞 (副賞20万円) | (受賞者なし) | ||
SDGsビジネス賞 (副賞20万円) | 株式会社ナイスシーズ 代表取締役 中尾 正二郎 | 環境にも人にも優しい無塩の微酸性電解水を二重電解方式でさらに品質を高めた「SAE 次亜塩素酸水」の製造・販売 | 千葉市稲毛区園生町138番地11 TEL:043-445-8668 URL:https://niceseeds.jp/ |
優秀賞 (副賞10万円) | 株式会社Vanwaves 代表取締役 深田 渚央 | バイオエタノールによる特許機構のエコで手軽な自分専用サウナ「IESAUNA」 | 八街市八街に231-13 TEL:050-3155-0325 URL:https://www.vanwaves.com/ |
優秀賞 (副賞10万円) | 株式会社クォンタムデータ 代表取締役 長迫 勇樹 | 量子コンピュータが出現しても解読不能な暗号技術の実用化と普及に向けて | 千葉市中央区亥鼻1-8-15 千葉大亥鼻イノベーションプラザ301号 TEL:080-4360-9643 URL:http://www.quantumdata.co.jp/ |
【学生部門】
賞 | 企業名・代表者名 | ビジネスプラン名 | 所在地等 |
---|---|---|---|
グランプリ | 千葉大学大学院看護学研究科 株式会社MamaWell 代表取締役 関 まりか | 専属助産師による妊婦の身体づくり伴走サポートサービス「MamaWell」-確かな信頼と安心を届け、妊婦のwell-being を実現- |
【一般部門】
ビジネスプラン概要
◆グランプリ(副賞50万円)
リンクメッド株式会社 代表取締役社長 吉井 幸恵
革新的「見える」がん治療薬の事業化による難治性がん克服への挑戦習システム
-皆様の健康と幸せのために、最先端科学と医療をつなぐ-
リンクメッド株式会社は、がんで苦しんでいる患者さんやご家族、がんと闘う医療従事者の皆さまの笑顔のために、最先端科学と医療をリンクし、『革新的な「見える」がん治療』をいち早く社会にお届けすることをミッションとしております。
がんの現状の治療法には、治療効果が十分でない、副作用が大きいといった課題があります。これらの課題を克服するため、私たちは国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(QST)において、放射性同位体64Cuを用いた『革新的な「見える」がんの放射性治療薬』を開発してきました。
64Cuから出るオージェ電子はがん細胞のDNAを効果的に攻撃できるため、高い治療効果が得られます。また、陽電子放射断層撮影(PET)診断でがんへの薬剤集積を確認しながら、安心・納得の治療を提供できます。さらに、64Cuは多様ながん特異的分子に結合させることが可能で、様々ながんに対し高い効果と低い副作用の「見える」治療薬を実現できます。
私たちはこの「見える」64Cu放射性治薬を一日も早く患者さんにお届けするため、QST認定ベンチャーとしてリンクメッド株式会社を起業いたしました。私たち独自の「見える」がん治療薬の継続的な技術開発を通し、悪性脳腫瘍や膵がんといった様々な難治性がんの克服に挑戦、皆様の健康と幸せに貢献します。
◆AI・IoT賞(副賞20万円)
輝翠TECH株式会社 代表取締役CEO Tamir Blum
(発表者:執行役員CMO 早坂 理希)
新たなAI、IoTロボット技術にて、高齢化する日本の農家の人手不足を解消し収益向上を可能とする。
私たち輝翠TECHは月面探査機に使われている技術を活用し、農業用AIロボットを開発しています。
このロボットは農場内を自動走行することが可能で、農家の作業負荷を軽減したり、センサーにより農場のデータを収集することで農業経営に役立てることができるようになります。
現在、農業現場においては人手不足が深刻化してきており、特に収穫期は農家にとって1年で最も忙しい時期の1つです。
私たちのロボットはまず収穫物の運搬作業を自動化することで農家の負担を軽減し、収穫効率を向上させます。さらに草刈りや農薬肥料散布が可能なアタッチメントを提供することで1年を通して農家を支援できるようにしていきます。私たちの事業の優位性は月面探査機の技術を応用した高い技術力にあります。特にカメラを通してロボットが農場の地図を作成するSLAM技術はGPSの電波が届かない場合にもロボットを自動走行させることができ、この技術をでこぼこした地面や草や木が生い茂る果樹園でも使用できるように開発している点が強みです。
このロボットを果樹・野菜を栽培する青果農家に提供していきます。ビジネスモデルとしては農家にロボットをレンタルするRaaSモデルと農場から収集したデータをJAや農薬・肥料メーカー、流通業者に提供するSaaSモデルで収益を得ます。そして開発拠点の千葉市から全国・世界へ展開していきます。
◆アグリビジネス賞(副賞20万円)
(受賞者なし)
◆SDGsビジネス賞(副賞20万円)
株式会社ナイスシーズ 代表取締役 中尾 正二郎
環境にも人にも優しい無塩の微酸性電解水を二重電解方式でさらに品質を高めた「SAE 次亜塩素酸水」の製造・販売
介護、保育の現状と現場の声から真に安心・安全な除菌・消臭剤の開発の必要性を痛感し、無塩の次亜塩素酸水にたどり着いたが、濃度の向上と保存性を高めるという課題に直面。
無塩で濃度を高めることが難しいため、安易に塩を添加したり、次亜塩素酸ナトリウムと酸を混合して生成する次亜塩素酸水も出回ってしまう結果となり、安全性に疑問があるものも多くある。
当社では無塩での生成にこだわり、二重電解方式を考案し、今まで無塩では水圧緩衝法製法により35~45ppm程度が限界だったが、二重電解と攪拌技術により水に溶け込ませる次亜塩素酸濃度を69ppmまで高めることができ、除菌・消臭効果を格段にアップさせることに成功した。
また「真空バイトンキャップ」により使用途中に濃度が落ちる問題も解決でき、濃度を保つことが可能になったことで、他社商品との圧倒的優位性を持つことができた。効果の実感しやすい消臭効果に注目し、動物病院、ブリーダーからペットを飼う一般消費者にもターゲットを広げている。
当社のSAE次亜塩素酸水は
・独自技術により品質を高めた安全性が高い
・オリジナルデバイスの開発で使用途中の濃度低下も解決
・ゴミが出ず、環境に配慮したエコ循環配送システムで配送
で他社との差別化を図り、日本だけではなく、今後すでに需要の有る海外にも展開できるよう生成装置と二重電解を一体化した装置を開発し、液体を海外販売していくことも視野に入れている。
◆優秀賞(副賞10万円) ※発表
株式会社Vanwaves 代表取締役 深田 渚央
バイオエタノールによる特許機構のエコで手軽な自分専用サウナ「IESAUNA」
都会でもサウナのある暮らしを実現する、無煙家庭用サウナ『IESAUNA』を販売。都市圏を中心としたサウナ好きのマンション在住ユーザーをコアターゲットに展開。付加価値装置として不動産やホテル、福利厚生としてオフィスを切り口に導入を進めるべく事業推進しております。
熱源にはバイオエタノールを使用しており、瞬間着火5分でサウナが楽しめる気軽さ。マンションのベランダに設置し、0距離のプライベートサウナを提供しています。近年「ととのう」という言葉が、流行語大賞ノミネートに代表されるように、サウナ市場は盛り上がりを見せており、八大都市圏のマンション在住ヘビーサウナー(かつベランダ設置可能なスペース保有者)は、70.3万人。金額にすると1,660億のマーケットボリュームです。
感染症対策でより清潔で安全な場所を求める中、自分だけの空間である家で、気軽かつリーズナブルにサウナを楽しめます。今後はサウナのある暮らしを軸に、ベランダやバルコニーの環境設計を周辺商材と併せてトータルプロデュースする事業へも近日展開予定です。
また、当商品のマネタイズは、本体商品の販売だけでなく、消耗品であるバイオエタノール燃料のサブスクによるストック収益も確保するビジネスモデルです。
株式会社クォンタムデータ 代表取締役 長迫 勇樹
量子コンピュータが出現しても解読不能な暗号技術の実用化と普及に向けて
【社会的背景】現在インターネットでの商取引などに利用されている暗号は、暗号としての安全性を解読に必要な計算量が膨大になることに根拠を置いている。現在のスパコンよりはるかに高い計算能力を有する量子コンピュータが、令和5年度にも実用化されるとの報道もある。1万年かかる計算を3分で完了する量子コンピュータは、解読に必要な膨大な計算を実行でき、既存の暗号は解読される危険性が指摘されている。
【従来の方式】これを受けて政府及び民間企業は、光子の量子力学的な性質を安全性の根拠に置く量子鍵配送方式(QKD)の開発を進めてきた。
しかしながら、QKDは、①伝送速度が遅い、②現在の光通信システムとの親和性が低い、③低コスト化が困難という短所があるため、将来の量子ネットワークを支える暗号技術には成り得ないと当社は考える。
【本事業の目標】本事業では、QKDの欠点を補い、正規送受信者と盗聴者間の通信路容量の差を安全性の根拠とする暗号を用いて、量子コンピュータでも解読が不可能な暗号製品を開発し、普及に向け事業化を目指す。これらの要素技術は、将来の量子ネットワークを構築するために必要不可欠な技術になると考える。
【技術の新規性・優位性】量子力学的な通信容量の差を暗号通信の実現に応用した例はなく、独自技術である。そのため当社技術は極めて優位なポジションに位置していると考える(2022年度特許出願予定)。
【市場性】2025年に光通信機器市場(通信事業者等)は15兆円規模と予測され、当該市場に参入する。
【千葉市にもたらす効果】千葉市が量子情報科学技術の国内有数の拠点として認知され、地理的な利点も活かし、世界中からヒト・モノ・カネが集まり、千葉市発の新しいアイデアが生まれ、持続的な好循環が形成される。その結果、千葉市が、科学技術に立脚した未来志向の国際都市として機能し、さらに活性化する
【学生部門】
ビジネスプラン概要
◆グランプリ(副賞20万円相当)
千葉大学大学院看護学研究科
株式会社MamaWell 代表取締役 関 まりか
専属助産師による妊婦の身体づくり伴走サポートサービス「MamaWell」
-確かな信頼と安心を届け、妊婦のwell-being を実現-
MamaWellは、「女性の生涯における健康を最新のエビデンスに基づいてサポートする」をミッションとして掲げ、まずは、妊娠・育児期の女性を対象に、専属助産師が伴走者として利用者さま一人ひとりの状況に応じた適切な情報を提供しながら、身体づくりを中心に継続サポートをオンラインで行っていきます。
本事業により、妊婦の健康維持・増進、孤立化・産後うつ発症予防、離職の防止による人材雇用コストの削減が期待でき、企業が福利厚生として導入するメリットは大きいと考えています。本事業は、利用する妊婦、導入する企業・医療機関・行政、担い手の助産師、全方位へメリットを提供するビジネスです。
いずれ、本事業で蓄積したデータから疾病リスク予測AIを開発し、母子双方の健康状態のモニタリングを実現し、予防・未病に貢献していくこと、そして、顕在化している海外のニーズに対しMamaWellの強みを生かし早期の海外進出することを考えています。
【一般部門】
○2次審査及び3次審査を担当
日本公認会計士協会 千葉会
副会長 公認会計士 :佐々田 博信
野村證券株式会社 千葉支店 支店長 :髙原 智成
株式会社日本政策金融公庫千葉支店
国民生活事業 事業統轄 :立元 博
JFEテクノリサーチ株式会社
分析ソリューション本部 本部長 :藤本 京子
千葉工業大学 社会システム科学部
プロジェクトマネジメント学科 准教授 :矢吹 太郎
○3次審査及び発表会での最終審査を担当
公益財団法人千葉市産業振興財団 理事長 :鎌田 栄
株式会社千葉興業銀行 執行役員 営業支援部長 :小岩井 学
株式会社千葉銀行 法人営業部長 :齊藤 成
千葉商工会議所 常務理事 :佐久間 正敏
千葉信用金庫 企業サポート部長 :泉水 秀一
国立大学法人千葉大学 名誉教授 :鷹野 敏明
株式会社フォルム 代表取締役社長 :松本 有
株式会社京葉銀行 執行役員 法人営業部長 :吉田 稔
株式会社ジャンガ・テック 代表取締役社長 :劉 桂栄
※1次審査は公益財団法人千葉市産業振興財団コーディネーター8人による
【学生部門】
合同会社BLMビジネスラボ 代表社員 :石井 伸暁
株式会社LUPINUS 代表取締役 :菅原 信治
株式会社エイピス 代表取締役 :田中 政吉
株式会社PLUS-Y 代表取締役 :永田 洋子
共催・協賛・後援団体
【主催】 | 公益財団法人千葉市産業振興財団 |
【共催】 | ベンチャークラブちば |
【協賛】 | 株式会社千葉銀行、ちばしんきんコラボ産学官(千葉信用金庫)、株式会社京葉銀行、株式会社千葉興業銀行 |
【後援】 | 経済産業省関東経済産業局、千葉県、千葉市、千葉商工会議所、千葉産業人クラブ、千葉県経済同友会、千葉大学、千葉工業大学、東京情報大学、千葉経済大学、淑徳大学、株式会社日本政策金融公庫千葉支店、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構千葉支部千葉職業能力開発促進センター、千葉県信用保証協会、公益財団法人千葉県産業振興センター、一般社団法人千葉県商工会議所連合会、千葉県商工会連合会、千葉県中小企業団体中央会、一般社団法人千葉県発明協会、公益社団法人千葉県情報サービス産業協会、公益財団法人ひまわりベンチャー育成基金、JFEテクノリサーチ株式会社、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)千葉貿易情報センター、一般社団法人千葉県中小企業診断士協会、日本弁理士会関東会、日本公認会計士協会千葉会 |