■『ベンチャー・カップCHIBA』とは・・・
千葉市発の新たなビジネスの創出を目指して、(公財)千葉市産業振興財団が、平成14年度から中小・ベンチャー企業支援の一環として実施しているビジネスプランコンテストです。事業者、創業者から新規性・独創性に富み実現性のある事業プランや技術を公募し、優秀なものには賞金を授与するとともに、当財団の各種支援事業を積極的に活用して事業化を促進します。
今回の『ベンチャー・カップCHIBA』は、一般部門にAI・IoT賞、アグリビジネス賞、SDGsビジネス賞を設け、学生部門を加えた2部門により、広くビジネスプランを募集しました。
令和3年3月30日、第19回『ベンチャー・カップCHIBA』ビジネスプラン発表会が開催され、一般部門の3次審査までを勝ち抜いたファイナリスト5社及び学生部門グランプリ受賞者が、プレゼンテーションを行いました。今年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、発表会場は無観客とし、Youtubeによるライブ配信を行いました。
審査の結果、一般部門グランプリには、株式会社イノビオット(代表取締役 福田 紘也)が選ばれ、当財団理事長より表彰の楯と副賞50万円が授与されました。
第19回『ベンチャー・カップCHIBA』受賞者

『会場風景』

第19回『ベンチャー・カップCHIBA』発表会 動画
第19回『ベンチャー・カップCHIBA』発表会(最終審査会) 審査結果
※敬称略
【一般部門】
賞 | 企業名・代表者名 | ビジネスプラン名 | 所在地等 |
---|---|---|---|
グランプリ (副賞50万円) | 株式会社イノビオット 代表取締役 福田 紘也 | 全ての子どもたちに向けたオンラインプログラミングサービス「みらいいアカデミア」 | 千葉市中央区中央2-5-1 千葉中央ツインビル2号館7階 TEL:090-5975-8201 URL:https://innoviot.co.jp/ |
AI・IoT賞 (副賞20万円) | ミレー株式会社 代表取締役 早川 世治 | 宅配受け取りの最終形「置配スペース」事業 | 千葉県香取郡多古町十余三371-90 TEL:0479-70-7673 URL:https://www.millet.co.jp/ |
アグリビジネス賞 (副賞20万円) | Y’S Agri合同会社 代表社員 芳澤 和哉 | 人と自然を未来につなぐ農業支援事業 “農業本来の形で人と自然の調和を目指す。”和“イズ アグリ事業” | 千葉市若葉区貝塚二丁目9-2 アネックス都賀402 TEL:080-5431-4325 URL:https://ys-agri.jp/ |
SDGsビジネス賞 (副賞20万円) | 株式会社toraru 代表取締役 西口 潤 | 現地人材と現地に用事のある依頼者(依頼社)を繋ぐ、遠隔作業代行のサービスGENCHI(http://genchi.net)の開発/運営 | 兵庫県神戸市中央区浪花町56 KIP内 TEL:06-7166-3634 URL:https://toraru.co.jp |
優秀賞 (副賞10万円) | ネコがクーポンを拾ってくれるアプリ社 代表者 有吉 信頼 | 商店街のためのスマホを用いた簡単クーポン発行及びホームページ作成システム | 千葉市中央区星久喜町1075-15 TEL:070-4357-6309 |
【学生部門】
賞 | 企業名・代表者名 | ビジネスプラン名 | 所在地等 |
---|---|---|---|
グランプリ | 国立大学法人千葉大学大学院 小川 良磨 | リンパ浮腫トモグラフィック・モニタ(LTモニタ)で見えない病気を視える化 |
【一般部門】
ビジネスプラン概要
◆グランプリ(副賞50万円)
株式会社イノビオット 代表取締役 福田 紘也
全ての子どもたちに向けたオンラインプログラミングサービス「みらいいアカデミア」
プログラミング教育は、2020年4月から小学校で必修化されるなど、「考える力」の向上を目的に全ての子どもたちに必要と言われています。また、学習定着率を高めるためにインプット重視ではなくアウトプット重視の学習が求められています。現状のプログラミング教室は、「考える力」ではなくゲームやロボットなどプログラミングスキルの向上を目的としたカリキュラムであることが大半で、インプット重視の学習となっています。また、教室での個別指導の形をとり労働集約型で高い月謝がかかる設計となっています。

対して、「みらいいアカデミア」では、ゲーム教材やロボット教材に加え、思考ツールも組み合わせ、「考える力」の向上を目的としたカリキュラムで、作品制作やコンテストなどアウトプット重視の学習を組み込んでいます。また、ゲームのように子どもが主役となるレッスンの設計で、講師との接点を必要最小限にすることで、非労働集約型の仕組みを実現しています。「みらいいアカデミア」は、すでに千葉市内を中心に60名以上の生徒に提供を開始しており、2021年7月から全国への本格展開を予定しています。成長市場として期待されるプログラミング教室市場において、コロナ禍によるオンライン化の加速をチャンスと捉え、プログラミング教室を再定義する形で、千葉市発でオンラインプログラミング教室の市場を創出していきます。そして、都市部でしか通うことができていないプログラミング教室を、どこにいても通うことができるプログラミング教室として地方部含めた全国に普及させることで、先端教育の格差解消に貢献していきたいと考えています。
◆AI・IoT賞(副賞20万円)
ミレー株式会社 代表取締役 早川 世治
宅配受け取りの最終形「置配スペース」事業
従来の宅配ボックスとは異なる「個別の仕切り」、「個別の扉」のない、宅配商品一時保管スペースを提案します。
自分で購入した商品はもちろんのこと、他人が購入した商品も同一空間内に収納します。大きな収納空間が一つ。開閉する扉も一つ。ウォークインクローゼットのようなものをイメージしてみてください。

「置配スペース」には、カギ解錠システムが付いております。人の入退室、商品の入出庫をセンサーやカメラで厳密に管理することにより、不用意に扉が開けられることを防ぎ、同一空間内にある複数の商品の中からでも、自分が購入した商品を間違いなく受け取れるようにしています。4件の特許を出願中です。
◆アグリビジネス賞(副賞20万円)
Y’S Agri合同会社 代表社員 芳澤 和哉
人と自然を未来につなぐ農業支援事業 “農業本来の形で人と自然の調和を目指す。”和“イズ アグリ事業”
次世代の農業・農村の構築に向けては、高度化する技術に長けた人材と地域を横断的にサポートするコーディネーターが必要とされている(平成30年「社会情勢の変化を踏まえた次世代の農業・農村の構築について」引用)。現状、農業系ITプラットフォームや産直EC、SDGsへの取り組みなどは大企業や大規模農家のみが参入し、農業戸数の多くを占める小規模農家にはほとんど浸透していない。

そこで、本事業では自社の経験に基づき顧客が必要とする情報・技術へのアクセスをスマートにすることに加え、自社で培った技術や知見(環境制御・ネット通販・SDGsへの取り組み)を共有することで新規就農者や企業の農業参入などの支援を行っていく。まず、顧客の要望を確認し市場志向性を持たせた農業計画を作成します。例えばSWOT分析や事業評価のためのPDMを作成し、外部から見ても分かりやすく評価できる分析を行う。次に、活用可能なリソース(地方行政・財団・支援機関)との連携を行う。既存のリソースを紹介することで自社の介入を減らし持続性や業務内容の短縮を行う。次に、実施支援では実際の経験に基づいたアドバイスを行う。特に環境制御(外気導入はイチゴ高設栽培では自社が日本初、紫外線照射器はイチゴ農家で自社が初、)や管理手法のGLOBAL GAPやJGAPの導入、自社ECサイトの運用やSNSを使った販促などの方法を提供していく。多様化する農業を実践するにあたり横断的な支援と人との結びつきを強化していく。
今後は海外進出する企業への支援や研修生への体系的な技術指導、千葉地域を中心として自社モデルを応用したフランチャイズ店舗の展開等を検討している。
◆SDGsビジネス賞(副賞20万円)
株式会社toraru 代表取締役 西口 潤
現地人材と現地に用事のある依頼者(依頼社)を繋ぐ、遠隔作業代行のサービスGENCHI(http://genchi.net)の開発/運営
現地人材と依頼者を繋ぐ、遠隔作業代行のサービスGENCHI(http://genchi.net) GENCHIは、依頼者が作業依頼と対価を、既に希望地にいる(住む)人達のスマートフォンにアプリを介して通知、対価や内容から通知を受けた者が請けてもよいと判断し合意した場合、受託者がアプリで必要に応じて、アバター(分身)となり、現地をライブストリーミングして視覚・聴覚・その他の感覚を共有すると同時に、依頼者を肩に乗せたイメージで共同して目的達成をするものZoom等のライブ配信とは違い、品質はワンランク上を確保しながらも、依頼者の依頼もワーカー側の接続も簡単にしてあり、誰もが副業としての働き手になれるもので、

インフラ点検から海外視察まで依頼者は場所を選ばずにPCやスマートフォンのブラウザー上で体験できる。『人間に動いてもらうボディシェアリング』で基盤となる特許や『両端でだけ情報をやり取りする』特許も2件獲得している。(言葉を超える指示方法の特許や配信可能であるかを調べる特許を昨年2件出願している。
◆優秀賞(副賞10万円)
ネコがクーポンを拾ってくれるアプリ社 代表者 有吉 信頼
商店街のためのスマホを用いた簡単クーポン発行及びホームページ作成システム
本事業は、主に商店街向けに特化したスマホ向けの集客アプリを提供する事業である。このシステムは事業主用アプリとお客様用アプリの二種類のアプリから構成されている。
近年の商店街を取り巻く環境は、大型商業施設の進出などによる購買機会の多様化や少子化による人口減少などにより厳しい状況が続いている。商店街のような市場は縮小傾向にある。

我々のアプリは位置情報を活用し、近くのお店の情報を表示することから、個人店のクーポンもユーザーの近くにさえあれば表示されるようになる。つまり個人店のクーポンが大手チェーン店のクーポンに埋もれることなく的確に近くのお客様にアプローチすることが出来る。
さらに、本事業ではアプリに登録されたデータを元に自動的に店舗のホームページを作成する手軽なサービスを提供している。
また、商店街のみならず、小売店や個人事業主にも展開していく事が出来る可能性を持っている。利用者が多くなったら顧客情報をデータとして管理し、定額で提供できるようなサービスも展開していきたいと思っている。広める時の方法として、アプリの使い方教室等も開催していきたい。
【学生部門】
ビジネスプラン概要
◆グランプリ(副賞20万円相当)
国立大学法人千葉大学大学院 小川 良磨
リンパ浮腫トモグラフィック・モニタ(LTモニタ)で見えない病気を視える化
リンパ浮腫は特定のがん手術後に発生しやすく、悪化すると完治が難しく、予防方法が未確立な疾患で、国内患者は約20万人。診断は周径計測が主で、客観的な診断方法は存在しない。また、現在主流の予防策である弾性ストッキングは、一日中体に圧をかけ続ける生活を強いられるため、身体的 負担が大きく、さらに、むくみによって身体イメージが崩れることや、認知度の低さも相まって患者のQOLは著しく低下する。
担当医師やリンパ浮腫患者の話を聞いていく中で、エンジニアとして強い使命感を感じ、我々のコア技術のEIT(電気インピーダンストモグラフィー)を用いて、リンパ浮腫早期発見や日々のモニタリングが出来ないかと考えた。「LTモニタ」を開発することで、がん発症後もすべての人が自分らしく生きることのできる社会を目指している。

第19回『ベンチャー・カップCHIBA』にご協力をいただきました審査委員の皆様(50音順、敬称略)
【一般部門】
○2次審査及び3次審査を担当
野村證券株式会社 千葉支店 支店長 :小川 博之
日本公認会計士協会 千葉会
副会長 公認会計士 :佐々田 博信
JFEテクノリサーチ株式会社
分析ソリューション本部 本部長 :藤本 京子
株式会社日本政策金融公庫千葉支店
国民生活事業 事業統轄 :宮本 和志
千葉工業大学 社会システム科学部
プロジェクトマネジメント学科 准教授 :矢吹 太朗
○3次審査及び発表会での最終審査を担当
株式会社千葉銀行 法人営業部長 :淡路 睦
公益財団法人千葉市産業振興財団 理事長 :今井 克己
国立大学法人千葉大学 名誉教授 :北村 彰英
株式会社京葉銀行 法人営業部長 :國井 智之
千葉商工会議所 常務理事 :佐久間 正敏
千葉信用金庫 常勤理事 地域推進部長 :松田 辰夫
株式会社フォルム 代表取締役社長 :松本 有
株式会社千葉興業銀行 執行役員 営業支援部長 :宮本 昌彦
※1次審査は公益財団法人千葉市産業振興財団コーディネーター8人による
【学生部門】
株式会社LUPINUS 代表取締役 :菅原 信治
株式会社エイピス 代表取締役 :田中 政吉
株式会社TRYWARP 代表取締役:虎岩 雅明
株式会社PLUS-Y 代表取締役 :永田 洋子
※書類審査は公益財団法人千葉市産業振興財団役員3人及びコーディネーター3人による
共催・協賛・後援団体
【主催】 | 公益財団法人千葉市産業振興財団 |
【共催】 | ベンチャークラブちば |
【協賛】 | 株式会社千葉銀行、ちばしんきんコラボ産学官(事務局:千葉信用金庫)、株式会社京葉銀行、株式会社千葉興業銀行 |
【後援】 | 経済産業省関東経済産業局、千葉県、千葉市、千葉商工会議所、千葉産業人クラブ、千葉県経済同友会、千葉大学、千葉工業大学、東京情報大学、千葉経済大学、淑徳大学、株式会社日本政策金融公庫千葉支店、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構千葉支部千葉職業能力開発促進センター、千葉県信用保証協会、公益財団法人千葉県産業振興センター、一般社団法人千葉県商工会議所連合会、千葉県商工会連合会、千葉県中小企業団体中央会、一般社団法人千葉県発明協会、公益社団法人千葉県情報サービス産業協会、公益財団法人ひまわりベンチャー育成基金、JFEテクノリサーチ株式会社、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)千葉貿易情報センター、一般社団法人千葉県中小企業診断士協会、日本弁理士会関東会 |