千葉市発の新たなビジネスの創出を目指して、(公財)千葉市産業振興財団が、平成14年度から中小・ベンチャー企業支援の一環として実施しているビジネスプランコンテストです。事業者、創業者から新規性・独創性に富み実現性のある事業プランや技術を公募し、優秀なものには賞金を授与するとともに、当財団の各種支援事業を積極的に活用して事業化を促進します。

 今回の『ベンチャー・カップCHIBA』は、【ビジネスプラン部門】と【ビジネスアイデア部門】の2部門とし、【ビジネスプラン部門】にAI・IoT賞、アグリビジネス賞、SDGsビジネス賞を設けたほか、両部門に学生賞を新たに設け、広くビジネスプランを募集しました。

 令和5年11月21日、第22回『ベンチャー・カップCHIBA』発表会が開催され、【ビジネスプラン部門】の3次審査までを勝ち抜いたファイナリスト6者及び【ビジネスアイデア部門】の受賞者3者が、来場者112名に対してプレゼンテーションを行ったほか、発表会後の交流会では各プランの事業化に向けたビジネスマッチングの機会といたしました。

 審査の結果、【ビジネスプラン部門】グランプリには、株式会社メンサポ(代表取締役 廣瀬素久)が選ばれ、当財団理事長より表彰状と副賞(賞金)が授与されました。

第22回『ベンチャー・カップCHIBA』受賞者

『会場風景』

『基調講演』

有限責任監査法人 トーマツ
パートナー アドバイザリー開発部長・公認会計士
北地 達明 氏

※敬称略

企業名・代表者名ビジネスプラン名所在地等
グランプリ
(副賞50万円)
株式会社L&F
代表取締役社長 森 久純
「日本空き家サポート」~安心と信頼の空き家管理の全国ネットワーク~千葉市中央区問屋町1-35
千葉ポートサイドタワー13階
TEL:043-216-2008
https://日本空き家サポート.jp/
準グランプリ
(副賞10万円)
※発表順
株式会社HIGH-STANDARD&CO.
代表取締役 佐藤 良平
お仕事するお母さんを助け、子供たちの基礎学力を飛躍的に向上させる、新学習保育事業千葉市中央区中央4-5-1 Qiball14F
TEL:090-2248-3656
http://high-standard.jp/
スペクトラ・クエスト・ラボ
株式会社
代表取締役 室 清文
「波長可変半導体レーザ」で実現する分光計測システムの革新千葉市中央区亥鼻1-8-15
千葉大亥鼻イノベーションプラザ408号
TEL:043-305-5563
http://spectraquestlab.com/
株式会社永光自動車工業
代表取締役 木俣 博光
産学連携による子どもの発達段階に応じた成長を促進する次世代型遊具の開発千葉市若葉区小倉町1301
TEL:043-231-8211
http://www.ea-net.co.jp/
企業名・代表者名ビジネスプラン名所在地等
グランプリ三立機械工業株式会社
代表取締役 中根 亮一
障害者の働く場である施設・事業所の支援を目的とした「廃電線リサイクル事業」千葉市稲毛区山王町335
TEL:043-304-7511
http://www.sanritsu-machine.com/
企業名・代表者名ビジネスプラン名所在地等
グランプリ早稲田大学 葦苅 晟矢昆虫飼料活用による食糧問題の解決seiya-ashikari@fuji.waseda.jp

ビジネスプラン概要

株式会社L&F 代表取締役社長 森 久純

『「日本空き家サポート」~安心と信頼の空き家管理の全国ネットワーク~』

「日本空き家サポート」は、当社が開発・運営を行い、不動産管理業務に精通した全国の不動産関連企業と提携し、空き家所有者に空き家管理サービスを提供する、全国ネットワークによる空き家管理専門ブランドである。提携会社は「空き家サポーター®」と称する。

現在、空き家管理サービスを提供している他社の管理作業レポート(報告書)は、ほぼ紙媒体によるものであり、業務自体もシステム化されていない。当社が開発した独自のクラウド型空き家管理システム「COADEE」は、契約者においては、レポートの閲覧や契約の変更・解約手続き等、空き家サポーター®においては、レポートの作成から顧客管理までの一連の業務をWEB上で簡単に行うことができる、業界最先端のシステムである。

また、誰もいない住宅内で管理作業を行うという空き家管理の特性上、お客様の安心と信頼をサービス提供の基本とするために、独自の審査基準により、建物維持管理に定評のある全国地場の不動産管理会社やホームビルダー等との提携を進めている。そして、「COADEE」の動画や画像が豊富なレポートを通じて、管理作業の透明性と信頼性、空き家サポーター®とお客様のコミュニケーションの促進を図り、将来的に、新たな空き家(中古不動産)流通市場の構築や民泊事業等の空き家利活用ノウハウの開発・提供につなげ、社会問題の解決や疲弊する地域社会の発展に寄与していくことを目標としている。

差別化された空き家管理サービスの提供を通じ、全国地場の有力な不動産関連企業との提携を進め、空き家管理のみならず、売買・賃貸・リフォーム・解体等、空き家に関する多様なご相談にワンストップで応えることのできる強固な全国ネットワーク、それが「日本空き家サポート」である。


株式会社HIGH-STANDARD&CO. 代表取締役 佐藤 良平

『お仕事するお母さんを助け、子供たちの基礎学力を飛躍的に向上させる、新学習保育事業』

 プラン名「お仕事するお母さんを助け、子供たちの基礎学力を飛躍的に向上させる、千葉の未来を変える新たなる学習保育事業」の通り、小学生の子をもつお母さん達が放課後に安心して預けられる、かつお預かりの時間内に基礎学力を飛躍的に向上させ千葉の子供たちの学力の底上げの一助となることを目的にした新たな学習保育事業である。
 対象は小学校4年生から小学校6年生。児童福祉法改正で小学校高学年も学童保育に通うことができるようにはなったが、受け皿が足りていない・間に合っていない現状を鑑みて設定。(但し、市場ニーズに合わせて対応できるよう、すでに小学3年生分のカリキュラムは作成済)

 「遊び」と「学校の宿題」が中心の学童保育に対し、本サービスではすべての学習を成立させる上で必須の基礎的な知識や技能である「基礎学力」の重要要素である読み・書き・そろばん(計算)のトレーニングに加え、物事を考える力「思考力」を向上させるトレーニングを行う。
 なおサービスの価格は公立公営の学童保育の金額よりも安い金額設定にしている。


スペクトラ・クエスト・ラボ株式会社 代表取締役 室 清文

『「波長可変半導体レーザ」で実現する分光計測システムの革新』

【目的】
 最先端の光計測に必要である、光の色(発振波長)を意のままに変えることが可能な「波長可変レーザ光源」を、半導体レーザ技術により安価・簡便・堅牢に実現し、医療や分析などの応用分野へ広く普及させる事を目指す。

【事業の現状】
 本事業のコア技術は、申請者が千葉大学においてJST先端計測プロジェクトで職務発明した特許:「外部共振器レーザ」に基づいており、千葉大学とのライセンス契約の元、弊社にて独占的に製造・販売を行っている。比類なき性能を背景に、国内市場で順調な立ち上がりを示している。

【今後の展開】
 現在、上記「波長可変レーザ技術」を軸に、バイオやライフサイエンス分野の研究開発に必須な「バイオイメージ」に用いられる光源・計測システムの開発を行っている。バイオイメージング市場はすでに国内3000億円に臨む巨大市場であるが、未だ発展途上の技術分野であり、特に「光源技術」の不足が指摘されている。バイオイメージング市場を筆頭に、先端計測の技術革新の趨勢を読み、次世代技術に必要とされる光源システムを「千葉発」の技術群で実現することで、「半導体レーザ」による分光計測システムの革新を自らの手で成し遂げる。


株式会社永光自動車工業 代表取締役 木俣 博光

『産学連携による子どもの発達段階に応じた成長を促進する次世代型遊具の開発』

 千葉大学教育学部及び同大学工学部と弊社との産学連携により、子どもの発達段階に応じた身体的・精神的・社会的成長を促進する、既存の概念に捉われない、子どもの視点からの遊具を開発製造販売する事業。教育学部からは、現代の子どもの身体的能力、社会心理的分析(情緒性、創造性、協同性)や嗜好性等の研究成果。工学部からは、子どもの現状認識を基礎にデザイン科学と実証評価(観察調査、運動量調査、筋力量調査)、遊具事故分析についての研究成果。
 弊社は、製品としての実現可能性を大学と共同研究しながら、異種金属接合技術、金属成形技術、塗装技術、可動・摺動部製作技術、強度計算技術を応用して、試作品及び完成品の製作を行う。

 本事業では、遊具に伴う危険性を子どもが予測可能なリスクと子どもが予測不可能なハザードに区別し、リスクを魅力に転化し、ハザードを無くした次世代型の遊具の開発を目的としている。
 遊具の販売についても、従来の販売方法とは異なるチャネルでの販売も目指している。すなわち学校予算に頼るのではなく、子どもを取り巻く社会(地域社会、商店街、PTA、OB等)をターゲットとしていく。


ビジネスプラン概要

三立機械工業株式会社 代表取締役 中根 亮一

『障害者の働く場である施設・事業所の支援を目的とした「廃電線リサイクル事業」』

 当社は電線くずから銅を取り出す機械や装置を作っているリサイクル機器メーカーである。
 そうした中、身体障害者向けの剝線機を作ってほしい、との要望があり、そのような目的の機械も必要かなと思い、身体障害者向けの卓上型剝線機を作り、販売を開始した。
 千葉市内の状況を聞くと、障害者施設での仕事が非常に少なく、あっても工賃が非常に低く、大変厳しい状況である、と伺い、では当社の技術を活用して地域課題に取り組みたいと思い、千葉市経済企画課及び障害者自立支援課の方々と、昨年11月から市内の障害者施設様に協力のもと、電線くずの剥離作業を行って頂き、種々のご意見をいただいた。

 ➀車椅子での作業が出来る。②作業完了後の検品作業が不要。③身体障害者の方でも軽度の知的障害者の方でも作業が出来。④何といっても加工工賃収入が2倍近くになる。などの好評を頂き、これなら是非、行政と共々、一緒に立ち上げ今日に至った。
 本プロジェクトが多くの賛同を得、行政と一緒に障害者施設の方々と大きな輪になれば、本プロジェクトが千葉市モデルとなって全国に広まってくれることを期待したいと思う。


ビジネスプラン概要

早稲田大学 葦苅 晟矢

『昆虫飼料活用による食糧問題の解決』

 私は、食糧問題という社会課題に対して、昆虫を活用した新しい循環型のシステムを作りたいと考えている。

想定顧客は水産養殖業の生産者である。近年水産養殖の飼料である魚粉価格が大変高騰している。そのため、彼らは業者から高い値段で餌を仕入れ、魚を安く販売しなければならないという儲からない構造に苦しんでいる。

この問題の解決策として私は昆虫の「コオロギ」を新しい水産養殖飼料として提供する。国連食糧農業機関が未来の食糧資源としても注目するコオロギは栄養価がとても高く、繁殖も容易である。このコオロギを自社で繁殖・飼料化して生産者に提供する。コオロギ生産のノウハウ確立後は独自のコンテナ型のコオロギ生産システムを確立する。この生産システムをリースすることによって全国でコオロギ生産量の拡大を図る。リース先はコオロギの餌となる野菜を抱える農家である。農家にとっても市場に出すことのできない規格外の野菜を有効活用することができる。

また、コオロギの糞は農地の肥料として有効活用することができる。この昆虫飼料活用による食糧循環型システムで生産した新しい水産養殖飼料によって持続可能な水産養殖の未来に貢献する。


【一般部門】
○2次審査及び3次審査を担当
株式会社千葉銀行 法人営業部 部長:植松 克則
千葉信用金庫 地域推進部 部長 :緒形 弘行
JFEテクノリサーチ株式会社
常任顧問 シニアフェロー :坂田 敬
有限責任監査法人トーマツ千葉事務所
パートナー 公認会計士:佐々田 博信
株式会社ジャフコ 投資部
開発投資グループ プリンシパル:出水 秀剛
千葉工業大学 情報科学部情報工学科 
准教授 :山口 智
野村證券株式会社 千葉支店 支店長 :渡辺 信一


○第2次審査及び発表会での審査を担当
国立大学法人千葉大学 :伊藤 公一
フロンティア医工学センター 名誉教授
丸金印刷株式会社 代表取締役社長:川合 榮子
公益財団法人千葉市産業振興財団 理事長:北村 彰英
千葉商工会議所 常務理事 :河野 功
ファソテック・ホールディングス株式会社
相談役 :長見 茂

【ソーシャルビジネス部門】
株式会社日本政策金融公庫 千葉支店
国民生活事業 融資第二課長 :石川 智章
株式会社京葉銀行 成長戦略推進部
コンサルティング営業グループ 上席参事役 :魚路 剛司
公益財団法人千葉市産業振興財団 常務理事 :白井 和夫
株式会社千葉興業銀行 法人戦略部
ナレッジ企画室 調査役 :中井 俊輔

【学生部門】
株式会社LUPINUS 代表取締役 :菅原 信治
株式会社エイピス 代表取締役 :田中 政吉
株式会社トライワープ 代表取締役:虎岩 雅明
株式会社PLUS-Y 代表取締役 :永田 洋子

来場者数

発表会:134人  交流会:85人

共催・協賛・後援団体

【主催】公益財団法人千葉市産業振興財団
【共催】ベンチャークラブちば
【協賛】株式会社千葉銀行、コラボ産学官千葉支部(事務局:千葉信用金庫)
【後援】経済産業省関東経済産業局、千葉県、千葉市、千葉商工会議所、千葉産業人クラブ、千葉県経済同友会、千葉大学、千葉工業大学、東京情報大学、千葉経済大学、淑徳大学、株式会社日本政策金融公庫千葉支店、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構千葉支部千葉職業能力開発促進センター、千葉県信用保証協会、公益財団法人千葉県産業振興センター、一般社団法人千葉県商工会議所連合会、千葉県商工会連合会、千葉県中小企業団体中央会、一般社団法人千葉県発明協会、公益社団法人千葉県情報サービス産業協会、公益財団法人ひまわりベンチャー育成基金、JFEテクノリサーチ株式会社、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)千葉貿易情報センター
【協力】公益社団法人経済同友会