■『ベンチャー・カップCHIBA』とは・・・
千葉市発の新たなビジネスの創出を目指して、(公財)千葉市産業振興財団が、平成14年度から中小・ベンチャー企業支援の一環として実施しているビジネスプランコンテストです。事業者、創業者から新規性・独創性に富み実現性のある事業プランや技術を公募し、優秀なものには賞金を授与するとともに、当財団の各種支援事業を積極的に活用して事業化を促進します。
今年度のベンチャー・カップCHIBAは、「一般部門」、「学生部門」の2部門により実施しました。
平成25年11月20日、第12回『ベンチャー・カップCHIBA』ビジネスプラン発表会が開催され、一般部門20件の応募企業から第1次審査(書類審査)および第2次審査(プレゼンテーションと質疑応答)を勝ち抜いた5社がプレゼンテーションを行いました。
一般部門の発表に続いて、学生部門グランプリ受賞者からのビジネスプランの発表が行われました。
会場には、ベンチャーキャピタル、銀行、証券会社をはじめとして、各種企業等の関係者100人が、投資先やビジネスパートナーを求めて集まりました。
審査の結果、一般部門グランプリには、株式会社デファクトスタイル(代表取締役 伊澤光輝)が選ばれ、当財団理事長より表彰の楯と副賞50万円が授与されました。

第12回『ベンチャー・カップCHIBA』受賞者
第12回『ベンチャー・カップCHIBA』発表会(最終審査会) 審査結果
※敬称略
【一般部門】
賞 | 企業名・代表者名 | ビジネスプラン名 | 所在地等 |
---|---|---|---|
グランプリ (副賞50万円) | 株式会社デファクトスタイル 代表取締役 伊澤 光輝 | 自転車・車いす用「パンクしない樹脂タイヤ」従来の重さとコストを半分で実現する | 千葉市美浜区中瀬1-9-1 スターツ幕張ビル12F TEL:043-441-3590 http://www.defactostyle.co.jp/ |
準グランプリ (副賞30万円) | ファインガラステクノロジーズ株式会社 代表取締役 脇田 徹 | 光ファイバモード変換器の開発・製造・販売 | 千葉市中央区中央3-13-7 コスモ千葉中央ビル308 TEL:043-441-8206 http://www.fineglass.jp/ |
ソーシャルビジネス賞 (副賞10万円) | 株式会社フライトテックサービス 代表取締役 伊藤 勝則 | 航空機整備作業への人材派遣事業 | 千葉市中央区中央4-5-1 Qiball 14F 6号室 TEL:080-6864-6195 http://www.d1.dion.ne.jp/~hk_s/index.html |
優秀賞 (副賞10万円) | コヨミ株式会社 代表取締役社長 市川 知稔 | スマートフォン向けの広告連動型カレンダー及び広告配信と予約システムの開発と販売 | 千葉市中央区富士見2-7-5 富士見ハイネスビル 10F TEL:043-301-3568 http://coyomi.co.jp/ |
株式会社コモンズ 代表取締役 柳下 勝美 | 先進国の香りマーケティング課題を、途上国の生産者と解決することにより、先進国の課題解決と途上国の経済的豊かさを同時に実現する事業 | 千葉市中央区中央4-5-1 Qiball 14F D号室 TEL:043-375-3639 http://www.common-s.net/ |
【学生部門】
賞 | 企業名・代表者名 | ビジネスプラン名 | 所在地等 |
---|---|---|---|
グランプリ | 林 千春 [国際理工情報デザイン専門学校] | ひらがなショップ |
【一般部門】
ビジネスプラン概要
◆グランプリ(副賞50万円)
株式会社デファクトスタイル 代表取締役 伊澤 光輝
『自転車・車いす用「パンクしない樹脂タイヤ」従来の重さとコストを半分で実現する』習システム
自転車や車いすのタイヤの内側にある空気チューブを取り払い、代わりに当該製品と入れ替える事でバンクレスのタイヤが作り上げられる製品です。基本は直径3cm長さ250cm程度の円柱状の製品で、4種類のサイズ展開だけで、市販されている全てのタイヤに適合出来る設計になっています。
類似の樹脂製パンクレスタイヤ製品などと比較して、重さが半分以下になるよう、特殊なクッション材を用いた工業製品(合成樹脂の立体網状集合体:特許/実用新案)です。

製品の重さが軽くなると言うことは、原材料の使用量も少なくなり、また、原料のEVA樹脂も類似製品の原料に比べ安価である為、製造コストもかなり安く抑える事が可能です。
これにより、小売売価も類似製品に比べて半額以下となり、購買判断が容易になることで、一気に普及する期待が持たれるビジネスプランです。
供給する市場ターゲットは、既存保有自転車・新品自転車販売の全てが対象となり、全世界共通の仕様になっているため、国内需要・海外需要を含め、莫大な市場背景があります。
◆準グランプリ(副賞30万円)
ファインガラステクノロジーズ株式会社 代表取締役 脇田 徹
『光ファイバモード変換器の開発・製造・販売』売
ファインガラステクノロジーズ株式会社はテーパー光ファイバを用いて、シングルモード(SM)とマルチモード(MM)の変換を行う光ファイバモード変換器を開発しました。
このモード変換器は、光信号を電気信号に変換することなくMM光ファイバとSM光ファイバの間を直接伝搬させるという、これまでほぼ不可能であったことを可能にした画期的な技術です。従来のモード変換技術では、SMからMMの変換時に十分なモード変換が行われていないため、線路の微小な震動などによって不安定にモードが変換され、時間的に定常なモードが得られないため、モード間の干渉が不安定に発生し、受信側の光パワーが大きくばらつくという問題がありました。本技術ではこのパワーのばらつきの問題を解決するべく、SM光ファイバとMM光ファイバの変換部分にテーパー部を設け、さらに光が伝搬するコアの部分のサイズを最適化することによって、モードの安定化を実現しました。

この技術により、従来LANやWANと称して敷設されていたマルチモード光線路と、近年整備されているシングルモード光線路とを電気信号への変換をすることなく簡便に接続できるようになります。また、光源から安定したモードを得るための励進器としての用途など、他の用途での使用についても期待できます。製品は光システム/サブシステムメーカー、及び光測定器メーカーなどに販売広く使用されることを期待しています。
本技術については、現在特許出願中です。
◆ソーシャルビジネス賞(副賞10万円)
株式会社フライトテックサービス 代表取締役 伊藤 勝則
『航空機整備作業への人材派遣事業』
諸外国で躍進する格安航空会社(以下LCC:Low Cost Carrier)と同様なサービスの本格的なLCCが、昨年、国内に初めて3社設立されました。
これらのLCCを主なターゲットに、航空機整備について総合的な判断が可能で、且つ、高度な整備作業ができる「高齢者(シニア)の一等航空整備士免許」を有する整備士を、合理的な価格で航空機整備に人材を派遣する、国内で先鞭をつけたビジネスです。

事業が必要とされる社会的背景
日本では、アジアゲートウエイ構想を基として、旺盛な旅客を獲得するため、アジアのハブ空港をめざし成田・羽田空港の発着枠を2014年には、2010年比で1.4倍に増加させます。同時に航空自由化協定(オープンスカイ)を各国と締結し、2014年には、航空ビックバンの初年とする体制を構築中です。
このオープンスカイによりアジア・太平洋地域のLCCが、2014年春から本格的に就航してくることから、国内大手航空会社は、LCCの設立を行い、これらに対抗する準備を開始しました。
既に、新規就航や増便に伴い、航空機整備関連の業務量も増加し、それに伴い国内LCC等の航空機整備士不足が潜在化しており、シニア航空整備士を活用した質の高い人材派遣へのニーズが高まりつつあります。
◆優秀賞(副賞10万円)
コヨミ株式会社 代表取締役社長 市川 知稔
『スマートフォン向けの広告連動型カレンダー及び広告配信と予約システムの開発と販売』
スマートフォン向けの広告連動型カレンダー及び広告配信と予約システムの開発と長い名称でわかりにくいですが、一言で言えば個人向けのカレンダーアプリを中心としたビジネスモデルとなります。
ネットに散在している時間情報は整理されておらず、相互関係も構築されていません。
それらの情報を一本の時間軸上に並べ、つなぐ事によって、新たなビジネスを生み出します。その入れ物こそがスマートフォンのカレンダーアプリなのです。

例えば、今は繋がっていないメールによる広告や告知、様々な店舗での予約をこのカレンダーアプリが一手に引き受けます。広告を直接アプリに配信するだけでなく、インタラクティブ性を持たせた適切な誘導によって予約へと導く事が可能となり、結果、顧客を実店舗へ誘導する導線を張る事が出来るようになります。これは新しいO2Oサービスとなります。
世の情報の多くが時間を伴っており、それらがこのシステムを経由する仕組みを提案します。
株式会社コモンズ 代表取締役 柳下 勝美
『先進国の香りマーケティング課題を、途上国の生産者と解決することにより、先進国の課題解決と途上国の経済的豊かさを同時に実現する事業』ツモココデ」
COMMONSのコンセプトは「世界中の価値を結びつける。」ことです。
徹底したマーケット分析により、大きな収益を生み出すことができるビジネスドメインで、競合優位性を持つ商品を、世界中の優れた生産者の技術を結びつけることにより生産販売します。
サプライチェーンから商社やメーカーを省いているため、製造面では生産者の利益率を高く設定し、販売面では代理店の利益率を高く設定できます。その結果、柔軟な開発体制と強力な販売ネットワークを構築し、短期間での商品リリースとマーケットシェアの獲得を実現できます。

業務用アロマ事業では世界8カ国のエッセンシャルオイル生産者と提携、また台湾のエンジニア、ガラス工房、陶器工房と共同で業務用芳香機を開発しました。
大型な業務用芳香機に対し、業界初となる小型の業務用芳香機は、香りを届けたい場所に設置できるため、香りの拡散範囲を維持しながら、オイル消費量を大幅に減らすことで、年間コストを1/5以下に削減できます。この大きな経済的な優位性により、競合商品のリプレイスだけでなく、美容室やクリニックなどのリテール店舗の新規開拓も国内外共に順調に進んでいます。
【学生部門】
ビジネスプラン概要
◆グランプリ(副賞30万円)
林 千春 [国際理工情報デザイン専門学校]
『ひらがなショップ』
ありそうでなかった、ひらがなをモチーフにしたインテリアショップ。
小さめのカフェも併設。日本らしさを新たなジャンルで表現!
日本ならではの文字「ひらがな」をもっと身近に、見て書くだけじゃなく、生活の一部に。商品は50音すべて使った家具、インテリア雑貨、子供向け遊具・家具。店内はキッズスペースのように、遊具や家具を置いて、自由に見て、遊んで、触って体験できるように商品を展示。お子さんはキッズスペースで遊んで、その間にお母さんはカフェでお茶のできる空間を提供していきます。
木材も千葉県のものを使い、子供向け遊具には子供がなめても安全な塗料を使用します。
そして日本だけではなく、外国の方にもこのひらがなインテリアを通して日本に興味を持ってほしいので、将来は外国での販売(ネットショップから開始)も考えています。
販売方法は、ネットショップと、家具や遊具など大き目の家具は店内で注文、後日配送。雑貨などの小さいものは店頭販売。
家具などの在庫を店内で抱えてしまうと大きい物件でないといけなくなるので、在庫は店内に置かないで倉庫などを借りるか、完全受注生産を考えています。

第12回『ベンチャー・カップCHIBA』にご協力をいただきました審査委員の皆様(敬称略)
【一般部門】
○第1次審査及び2次審査を担当
株式会社千葉銀行 法人営業部 部長:太田 雅美
株式会社かっぺ 代表取締役CEO:金子 輝幸
野村證券株式会社 千葉支店 支店長 :粉川 義弘
JFEテクノリサーチ株式会社
分析ソリューション本部(千葉) 本部長 :坂田 敬
千葉信用金庫 地域推進部 部長 :鈴木 大生
有限責任監査法人トーマツ千葉事務所
パートナー 公認会計士:佐々田 博信
株式会社ジャフコ 投資部
開発投資グループ プリンシパル:出水 秀剛
株式会社日本政策金融公庫 千葉支店
国民生活事業 融資第二課長 :前田 浩志
千葉工業大学 情報科学部情報工学科
准教授 :山口 智
公益財団法人千葉市産業振興財団
常務理事:森 清
○3次審査及び発表会での最終審査を担当
千葉商工会議所 会頭 :石井 俊昭
丸金印刷株式会社 代表取締役社長:川合 榮子
株式会社ファソテック 相談役:長見 茂
公認会計士前原事務所 所長:前原 東二
国立大学法人千葉大学 特任教授・名誉教授
スマートグリーンイノベーション研究拠点長:吉川 明彦
公益財団法人千葉市産業振興財団 理事長:西牟田 勲
【学生部門】
○第1次審査及び2次審査を担当
株式会社市川ソフトラボラトリー 代表取締役 :市川 芳邦
学校法人森島学園 千葉聖心幼稚園 理事長:森島 弘道
国立大学法人千葉大学 名誉教授:北村 孝司
国立大学法人千葉大学
産学連携・知的財産機構 特任准教授:片桐 大輔
○2次審査会のみを担当
公益財団法人千葉市産業振興財団
コーディネーター:平阪 靖規
公益財団法人千葉市産業振興財団
コーディネーター:小椋 唯
来場者数
発表会:100人 交流会:64人
共催・協賛・後援団体
【主催】 | 公益財団法人千葉市産業振興財団 |
【共催】 | ベンチャークラブちば、千葉大学経済人倶楽部「絆」 |
【協賛】 | 株式会社千葉銀行、コラボ産学官千葉支部(事務局:千葉信用金庫) |
【後援】 | 経済産業省関東経済産業局、千葉県、千葉市、千葉商工会議所、千葉産業人クラブ、千葉県経済同友会、千葉大学、千葉工業大学、東京情報大学、千葉経済大学、淑徳大学、株式会社日本政策金融公庫千葉支店、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構千葉支部千葉職業能力開発促進センター、千葉県信用保証協会、公益財団法人千葉県産業振興センター、一般社団法人千葉県商工会議所連合会、千葉県商工会連合会、千葉県中小企業団体中央会、一般社団法人千葉県発明協会、公益社団法人千葉県情報サービス産業協会、公益財団法人ひまわりベンチャー育成基金、JFEテクノリサーチ株式会社、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)千葉貿易情報センター、ちば海外ビジネスサポートセンター |